検索エンジンや動画サイトの解説コンテンツで「被曝治療の生々しい現場写真」として流布している画像には、明確な事実誤認とフェイクが含まれています。特に広く知られているのが、東海村JCO臨界事故で致死量の放射線を浴びた作業員・大内久さんの写真と称して出回っている、天井から吊り下げられた足の皮膚が失われ骨が露出している凄惨なカラー写真です。
医療従事者およびファクトチェック機関による検証の結果、この写真はJCO事故とは一切関係のない、海外の医学書に掲載されていた重度熱傷・切断手術患者の臨床画像であることが判明しています。当時、大内さんの治療を担当した東京大学医学部附属病院および放射線医学総合研究所の医療チームは、厳重なプライバシー保護と倫理的配慮のもとで治療記録を管理しており、一般のゴシップサイトや動画プラットフォームに露骨な遺体・皮膚崩壊写真が流出することはありません。
一方で、公的機関や公式ドキュメンタリー(NHKスペシャル『被曝治療83日間の記録』など)で正式に公開された医療記録には、「破壊された染色体の顕微鏡写真」や、経時的に変化していく皮膚の局所的な医療観察図・一部の臨床データが存在します。ネット上のセンセーショナルな言説は、こうした厳粛な医療ドキュメントの真実と、出所不明のショック画像を悪意を持って結びつけた結果生み出されたデマが中心を占めています。