順風満帆に見えた二人の関係でしたが、1990年代半ばを迎えると徐々に亀裂が生じ始めます。布袋寅泰さんと山下久美子の離婚理由には、多忙による生活のすれ違いだけでなく、互いがアーティストであるゆえの葛藤や、後述する人間関係の変化が複雑に絡み合っていました。
1997年、二人は12年余りに及ぶ婚姻関係にピリオドを打ち、正式に離婚を発表します。この別れにまつわる内情は、2002年に出版された山下久美子さんの自伝『ある愛の詩』の中で赤裸々に綴られ、世間に大きな反響を呼びました。
自伝では、かつて愛し合ったパートナーとの距離が徐々に離れていく痛みや、家庭という閉じた空間で抱えていた孤独、そして夫の心が別の女性へ移っていくのを肌で感じていた当時の苦悩が、飾らない言葉で吐露されています。愛憎の激しい葛藤を乗り越え、最終的には相手を許し自立した一人の女性として生きていく決意を固めるプロセスは、多くの読者の胸を打ちました。