語り草となったこの伝説の事件ですが、ネット上には時折事実と異なる憶測や誤解も散見されます。調査報道の視点から、代表的な3つの誤解を是正します。
第1の誤解は、「テレビ的なウケを狙ったヤラセ・仕込みだったのではないか」という疑惑です。しかし、中継スタッフの生々しい狼狽ぶりや、カメラワークの混乱、そして職人が予定通りの行程をこなそうとパニック状態で餅をつき続けた現場の動線を見れば、計算された演出でないことは自明です。あらかじめ手袋が脱げるように細工していたら、職人の杵がくまモンの肉体に衝突するリスク管理が成り立ちません。完全な偶発的事故であったからこそのリアリティがそこにありました。
第2の誤解は、「巻き込まれた手袋入りのお餅はそのまま販売されたのか」という食品衛生上の懸念です。当然ながら、異物混入となったお餅が一般に流通したり試食に供されたりすることは一切ありませんでした。中継終了後、手袋は安全に取り出され、当該のお餅は衛生管理基準に則って速やかに廃棄処分および検証用として適切に処理されています。
第3の誤解は、「くまモンの関係者が職人に激怒して現場が険悪になった」という噂です。実際には全く逆で、現場は放送終了後に大爆笑に包まれ、中継スタッフも職人もくまモンの臨機応変なキャラクター性を絶賛。後日、くまモン側もこの出来事を自虐的かつユーモラスにネタとして昇華しており、トラブルどころか地域プロモーションとして破格の経済効果をもたらす結果となりました。