「綺麗につくることには、もうあまり意味がないんです」。そう語るのは、デザイン情報学科の4年生だ。彼女が画面上で操作していたのは、人間の感情データをリアルタイムで解析し、パブリックアートとして都市の壁面に投影するアルゴリズムだった。美しい造形を追求する手業は当然の前提。その上で「それがどう社会と接続し、人の心を揺さぶるか」という冷徹な問いが、日常の講義で突きつけられる。
アトリエの片隅では彫刻学科の学生がブレイン・マシン・インタフェース(BMI)を用いた立体制作に没頭し、隣の工房ではテキスタイル学科の学生が自己修復するバイオ素材を紡いでいる。伝統的な美術表現と先進テクノロジーの境界線は、ここ武蔵野の地ですっかり蒸発していた。