彼の人気を決定づけているのは、完璧な強さの裏に隠された泥臭い葛藤にある。最終選別で親友・錆兎(さびと)に守られ、自分は一匹の鬼も倒せずに生き残ってしまったという苛烈な過去。このトラウマが、彼に「自分は他の柱と同等ではない」という根深いコンプレックスを植え付けた。
冷徹で高慢に見えた「俺は選ばれていない」という態度の真意が明かされた時、視聴者が彼に抱く印象は180度変化する。水柱の羽織が、亡き姉・蔦子と親友・錆兎の形見を繋ぎ合わせた半々の柄であるという事実も涙を誘う。彼は英雄としてではなく、死者の思いを背負わされた「生存者の罪悪感」を抱える等身大の人間として戦っているのだ。