沿岸部や都市部の河川敷、港湾公園を訪れると、ウミネコやカモメに加えてさらに別のカモメ科鳥類が混在しており、観察者の混乱に拍車をかけています。特に頻繁に混同されるのが、東京都の都鳥としても親しまれている「ユリカモメ」や、大型の「セグロカモメ」です。
ユリカモメとの見分け方において最優先で注視すべきは、体格のスケールと足・くちばしの鮮烈な赤色です。ユリカモメは全長約40cmとウミネコよりも二回りほど小さく、鳩より少し大きい程度の非常にスレンダーな体躯をしています。最大の特徴は、くちばしと足が深い朱赤色(鮮血のような赤)である点です。ウミネコやカモメのような黄色系のパーツは一切ありません。
また、ユリカモメもカモメと同様に冬鳥ですが、羽の生え変わり(換羽)による劇的なビジュアル変化を見せます。日本で過ごす冬の間は、白く丸い頭部の目の後ろ(耳羽付近)にポツンと黒い斑点が1つあるだけの愛嬌ある姿をしていますが、北へ帰る直前の3月下旬から4月になると、頭部全体が黒褐色のフードを被ったような「夏羽(黒頭)」へと劇的に変貌します。この姿を目撃すれば、ウミネコと見間違える余地はありません。
一方、冬の港湾でウミネコよりも明らかに大きく、背中のグレーが濃い個体を見かけた場合は「セグロカモメ」や「オオセグロカモメ」の可能性が高まります。これらは全長60cm前後、翼開長が140〜150cmに達する大型種であり、足がピンク色(肉色)をしているため、足が鮮やかな黄色であるウミネコとは明確に区別されます。