日本のビジネスシーンで長年親しまれてきた「上様(うえさま)」宛の手書き領収書は、令和の税務改革によって完全に過去の遺物となりつつある。宛名を特定しない、あるいは曖昧な名称で発行された領収書は、税務調査において経費として認められない公算が非常に高いためだ。
飲食店やホテルでの会計時、外国人が「領収書をください」と頼んだ際に、店舗側が正確な会社名のスペルや漢字の確認に時間を取られ、レジ前で混雑が生じる光景も珍しくない。結果として、機械印字で宛名・品目・消費税率・T番号がすべて網羅されたレシート発行を推奨する店舗が主流を占めるに至っている。