この変化の波は東京だけに留まらない。広島や博多、さらには東北の地方都市に至るまで、地元の食文化を独自のセンスで再解釈する店舗が急増している。地場野菜の豪快な炭火焼きや、伝統的な発酵調味料を使ったクラフトおつまみ。従来の「安くて酔えればいい」という居酒屋像は完全に過去のものとなった。
地域密着型の店舗グループが手がける空間デザインも秀逸だ。オープンキッチンを囲むカウンター配置や、道行く人と視線が交わる開放的なテラス席。街全体と店がシームレスに溶け込む設計が、訪れる者に「その土地の物語を味わっている」という強い充足感を与えている。