『進撃の巨人』の物語において、ダイナ・フリッツという存在が持つ最大の意味は、彼女がマーレ大陸に残された唯一のフリッツ王家の生き残りであったという点にある。100年前の巨人大戦の折、カール・フリッツ王が壁内へと逃亡した際、大陸に残ることを選んだ王家の一族。その血を密かに受け継いできたのがダイナだった。
彼女は地下組織「エルディア復権派」の前に「王家の血を引く者」として姿を現し、希望の象徴となった。そこで医者であったグリシャ・イェーガーと出会い、結ばれる。しかし、その崇高な決起はあまりにも脆く崩れ去った。息子の裏切りによって密告され、復権派の同志たちとともにパラディ島へと連行された彼女は、無知性巨人化の注射を打たれ、永遠に彷徨う無垢の巨人へと姿を変えさせられたのである。