亜也さんが遺した日記を開くと、病気の進行に伴ってその筆跡が劇的に変化していく様子が痛々しいほど伝わってくる。最初は整っていた美しい文字が、次第に大きく歪み、やがて一字を書き留めることすら全身全霊の作業となっていく。
日記の中には、「転ぶなんて恥ずかしい」という年相応の恥じらいから、「お母さん、私は何のために生きているの?」という絶望の叫びまで、飾らない本音が包み隠さず書きつけられている。しかし、絶望の淵に立たされながらも、彼女の視線は常に「今できること」を探していた。身体が動かなくなっても、心まで病に屈することはない——ノートの端々に躍る言葉は、生への凄まじい執着と尊厳に満ち溢れている。