事故が起きたのは午前8時前、山梨県甲州市の中央自動車道上り線に位置する笹子トンネル内だった。コンクリート製の天井板が約138メートルにわたってV字型に落下。轟音と共に落下の衝撃が充満し、トンネル内は一瞬にして漆黒の煙と粉塵に包まれた。
当時、現場を走っていたインプレッサ生還ドライバーの証言や、後に放映されたNHKのドキュメンタリー番組における記録は、その瞬間の恐ろしさを苛烈に物語る。背後で爆発音のような破壊音が響いた直後、ミラー越しに見えたのは迫り来る巨大なコンクリート塊の壁だった。ドライバーは躊躇することなくアクセルペダルを床まで踏み込み、崩れ落ちる天井の破片を力ずくで振り切ったという。