漫画家の職業病とも言われる腰痛だが、冨樫氏の場合、その重症度は一線を画す。机に向かい何時間も同じ姿勢を続ける過酷な作業環境は、背骨や骨盤に致命的な負担をかける。激痛によりトイレに一人で行くことすら困難を極めた時期があったことは、多くのファンに衝撃を与えた。
しかし、冨樫氏は創作の手を緩めなかった。近年ではデジタル機器の導入や作画姿勢の工夫、整体療法など、あらゆる手段を講じて執筆環境を再構築している。アシスタントに頼り切るのではなく、人物の表情や主要な線の描き込みに自らこだわり抜く姿勢が、身体的負担を増大させる一因でもある。それでもなお自らの手で描き出す姿勢こそが、少年漫画の領域を超えた作品の圧倒的な生命力を生み出し続けている。