本作の最大の推進力となったのが、山﨑賢人演じる堂島旺太郎と宰子が幾度となく繰り返す「死のキス」だ。撮影現場では、毎回異なる感情のグラデーションを表現するため、尋常ではない回数のテイクが重ねられたという。単なるアクションとしての接触ではなく、ある時は恐怖、ある時は計算、そして最後には深い情愛が宿る。撮影の合間、二人は互いの立ち位置や唇が触れる角度、息を止めるタイミングまでミリ単位で綿密に打ち合わせを重ねていた。
このキスの裏に隠されていた衝撃の真相こそが、12年前のクルーズ船沈没事故という過去の因縁である。旺太郎の人生を狂わせ、宰子にタイムリープ能力という呪いを植え付けた原点。張り巡らされた伏線が一本の線へと繋がった瞬間、視聴者は物語の真の主役が誰であったかを突きつけられる。すべてを失いながらも他者の幸せを願った宰子の選択は、サスペンスの枠を超えた切ない余韻を残した。