病院での看取りではなく、自宅での急死、事故、あるいは一人暮らしの孤独死などによって警察が介入した場合、書類の名称は「死亡診断書」ではなく「死体検案書」へと切り替わります。書類自体の書式は医師法第20条に基づき左右見開きの同一用紙(左側が死亡届、右側が死亡診断書または死体検案書)ですが、発生する費用は桁違いに跳ね上がります。
死体検案書と費用の違いは、医師が死亡を確認するプロセスにあります。生前から継続して診療していた病気で亡くなった場合は「死亡診断書」が交付されます。一方、かかりつけ医がいない状況での急死や、死因が直ちに特定できない「異状死」と判断された場合は警察へ通報され、警察医や監察医が遺体を詳しく調べる「検案(けんあん)」が行われます。
警察介入時の死体検案費用は、検案料そのものが3万〜5万円程度、さらに警察署への遺体搬送費用(2万〜4万円)、遺体の解剖(承諾解剖や新法解剖)や保冷処置、薬物検査費用などが加わると、総額で7万〜10万円以上に達することが一般的です。自治体によっては一部公費負担が適用されるケースもありますが、基本的には遺族へ実費請求されます。予期せぬ家族の喪失と警察の事情聴取に精神的打撃を受けている最中、窓口で10万円近い現金を即座に求められて強いショックを受ける遺族が非常に多いのが現場の実態です。