国宝・羽黒山五重塔の現在!屋根修復の全貌と平将門伝説の真相に迫る

国宝・羽黒山五重塔の現在!屋根修復の全貌と平将門伝説の真相に迫る

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鬱蒼とした杉林に佇む羽黒山五重塔には、歴史ファンを惹きつけてやまない創建伝説が存在します。社伝によると、平安時代中期の承平年間(931年〜938年)、平将門が東国の乱に際して戦勝を祈願し建立したと伝えられています。なぜ関東の覇者である将門の足跡が東北・出羽の山奥に残されているのかについては、武士の台頭期における出羽三山信仰の広がりを示す貴重な伝承として語り継がれてきました。

現在の塔自体は、南北朝時代の文中年間(1372年〜1375年頃)に庄内地方の領主であった武藤政氏(大宝寺政氏)によって再建されたものと鑑定されています。高さ約29メートル、三間五層のこけら葺き・素木造り(白木造り)の塔は、一切の極彩色を用いず、木材本来の質感と精緻な組物だけで構成されているのが特徴です。

さらに特筆すべきは、明治時代の「神仏分離令・廃仏毀釈」の猛威をくぐり抜けた点です。当時、出羽三山に存在した多くの寺院建築が破却される中、この五重塔は神道様式の「千勝神社」として届け出を行うことで奇跡的に破却を免れました。昭和41年(1966年)には東北地方の古塔として唯一の国宝指定を受け、今なお中世建築の粋をありのままに伝えています。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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