見城氏の軌跡を語る上で欠かせないのが、角川書店(現・KADOKAWA)時代における異次元の編集実績です。1975年に入社後、『月刊カドカワ』の編集長として作家やミュージシャンと魂をぶつけ合う編集手法を確立。五木寛之、森村誠一、村上龍、北方謙三といった大家から、つかこうへい、尾崎豊に至るまで、表現者の内面に深く踏み込むことで大ヒットを連発しました。
1993年、取締役編集部長の座を捨てて突如として角川書店を退社。自らの城である幻冬舎を創業しました。創業時には大手取次との口座開設を巡る激しい逆風にさらされながらも、五木寛之『大河の一滴』、郷ひろみ『ダディ』、天童荒太『永遠の仔』など、社会現象となるベストセラーを矢継ぎ早に世へ送り出しました。
文芸書のみならず、新書、実用書、タレント本、ビジネス書とあらゆるジャンルで常識を覆すプロモーション戦略を展開。単なる本作りにとどまらず、「時代そのものを編集する」という編集者の役割を日本社会に決定づけた功績は計り知れません。