インターネット上の健康情報には、医学的根拠を欠いた危険な俗説が散見されます。特に是正すべき3つの誤解を挙げます。
誤解1:「胃もたれには牛乳を飲めば胃に膜が張って楽になる」
これは大きな誤りです。確かに一時的には酸を中和する感覚が得られますが、牛乳に含まれるカルシウムとタンパク質(カゼイン)は胃酸分泌を促進させる強力な刺激となります。さらに脂肪分が十二指腸に到達すると、胃の運動を抑制する消化管ホルモンが分泌され、結果として胃もたれを悪化させます。
誤解2:「強い胃薬(プロトンポンプ阻害薬・H2ブロッカー)を飲めば胃もたれは必ず治る」
胃酸分泌を強力に抑える薬は、逆流性食道炎の症状や胃潰瘍には著効を示します。しかし、胃排出能の低下や消化酵素不足が主因である胃もたれに対して酸抑制薬を漫然と投与すると、かえって食物の消化分解が遅延し、重圧感が増幅するケースがあります。症状の原因に合致した成分選択が不可欠です。
誤解3:「若いから胃がんの心配は一切ない」
20代〜30代の若年層であっても、スキルス胃がんのように胃粘膜の表面ではなく胃壁の筋層を這うように浸潤するタイプのがんが存在します。このタイプは初期段階では潰瘍を作りにくく、胃壁が硬くなることで「食後の胃もたれ」「食事が入っていかない」という症状として現れます。若い世代であっても、急激な食欲不振や胃もたれの持続を軽視してはなりません。