イチロー夫妻の生活の拠点は、長年プレーしたシアトルの高級住宅街にあります。ワシントン湖を望む広大な敷地に建つ邸宅には、イチロー氏専用の本格的なトレーニングルームが完備され、日々のルーティンを完全に再現できる環境が整えられています。
この家庭において、子供以上の存在として愛されたのが、柴犬の「一弓(いっきゅう)」でした。2001年にシアトルで飼い始めた一弓は、イチロー氏が遠征から戻った際に真っ先に出迎え、夫妻の心を癒やし続けました。イチロー氏が最多安打記録を更新した際も、スランプに苦しんだ時期も、一弓は常にそばに寄り添う家族そのものでした。
一弓は2019年の夏、17歳7か月という長寿を全うして天国へと旅立ちました。引退会見の場でイチロー氏は「弓子と一弓には、本当に感謝しかない」と涙を浮かべながら語っており、愛犬と妻が過酷な現役生活における最大の心の拠り所であったことを証明しています。