近年、急成長を遂げる行動科学・心理学産業において、対人距離の研究は新たな局面を迎えている。他者が立ち入ることを拒む目に見えない境界線、すなわちパーソナルスペースの研究は、アメリカ心理学会の長年にわたる行動プロファイリングでも最重要項目の一つとされてきた。
腰という部位は、肩や背中とは決定的に異なる。身体の中心に位置し、生殖器に極めて近いこのエリアへの侵入は、心理的距離が「親密な関係(45cm以内)」に突入したことを身体レベルで強制認知させる。合意なき接触であれば強い警戒アラームが鳴り響く一方、好意を抱く相手であれば心拍数が跳ね上がり、一気に恋愛感情へ引きずり込まれる。この生理的反応を計算づくで利用する者も少なくない。