国税庁の基本通達(タックスアンサーNo.1122「医療費控除の対象となる医療費」)において、柔道整復師法に規定する柔道整復師による施術の対価は、一定の要件を満たす場合に医療費控除の対象として明記されています。ここで最も問われるのが、「受診した施設」と「施術の法的性質」です。
一般に混同されがちですが、街で見かける「整骨院」「接骨院」と「整体院」には、医療行政上および税法上の決定的な断絶が存在します。整骨院・接骨院を開設しているのは、解剖学や生理学、関係法規の国家試験を突破した柔道整復師です。これに対して整体院、カイロプラクティック、リラクゼーションサロンなどは、法的な国家資格に基づかない民間療法の範疇に位置づけられています。
国税庁の審理実務では、民間療法による施術費は「医師による明確な指示書がある特殊なケース」を除き、原則として医療費控除の適用外として撥ねられます。整骨院と整体の医療費控除の違いを理解しないまま、整体院の領収書を合算して税務申告を行うと、後日修正申告と過少申告加算税を求められるリスクに直面します。