「円周率の日」の公式な発祥は1988年、アメリカ・サンフランシスコの科学館『エクスプロラトリアム』に遡ります。同館の物理学者であったラリー・ショー(Larry Shaw)氏が、日付表記(3/14)が円周率の近似値「3.14」と合致することに着目し、同僚や来館者とともに円形ホールを行進しながらフルーツパイを食べるイベントを企画したことが原点です。
この草の根の科学啓発イベントは瞬く間に全米の教育機関や研究者の間に波及しました。米国下院議会は2009年3月12日、公式に3月14日を「全米円周率の日(National Pi Day)」に指定する決議案を可決。科学技術・工学・数学(STEM分野)への関心を高める国家的な祝祭日へと成長を遂げました。
さらに記念日の世界的な価値を高めたのが、国際数学連合(IMU)の主導による国際承認です。2019年11月のユネスコ第40回総会において、毎年3月14日を「国際数学の日(International Day of Mathematics: IDM)」とすることが正式決定されました。古代ギリシャの数学者アルキメデスが正多角形を用いて円周率を「3.14…(223/71 < π < 22/7)」と絞り込んだ時代から2000年以上を経て、円周率は人類共通の文化遺産として祝われる存在となっています。