Q1:フッ酸が皮膚に付着した際、グルコン酸カルシウム軟膏がない場合はどうすればよいですか?
A1:軟膏が現場にない場合でも、まずは直ちに大量の流水で15分以上洗い流し続けてください。真水での希釈・物理的洗い流しが最優先です。並行して直ちに119番通報し、「フッ化水素酸の曝露事故である」ことを救急隊および搬送先医療機関へ明確に伝えてください。医療機関側がグルコン酸カルシウム注射液や心電図モニタリングの緊急受け入れ態勢を整えるまでの時間を1分でも稼ぐことが生死を分けます。
Q2:低濃度のフッ酸(10%以下など)であれば、付着してもそれほど危険ではありませんか?
A2:極めて危険です。低濃度フッ酸の最も恐ろしい特性は「遅行性」です。付着直後は赤みも痛みもほとんど現れず、自覚症状がないまま6〜24時間かけて皮下組織や骨に深く浸透します。翌日になってから激痛とともに組織壊死が進行し、手遅れになるケースが多発しています。濃度に関わらず、フッ酸と接触した疑いがある場合は直ちに除染処置を行い、専門医の診察を受けてください。
Q3:企業や大学の研究室でフッ酸を取り扱う際、法的に義務付けられている保管基準はありますか?
A3:フッ酸(フッ化水素)は「毒物及び劇物取締法」における「医薬用外毒物」に指定されています。専用の堅固な保管庫に施錠保管すること、管理責任者の選任、受払簿による厳密な数量管理、定期的な点検が法令で義務付けられています。また、ガラス容器はフッ酸に侵されて穴が開くため、必ずポリエチレンやフッ素樹脂(テフロン)などの耐腐食性専用容器で密閉保管しなければなりません。