1997年4月の放送開始から25年以上にわたり、テレビアニメ『ポケットモンスター』の絶対的な顔として君臨したマサラタウンのサトシ。2022年11月に放映された『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』へと至る一連の展開で、彼が主人公の座を降りる決定が下された際、世界中で大きなニュースとして報じられました。
ファンが最も知りたがっていたサトシ引退の直接的な契機は、アニメ本編内の世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス」において、無敗の絶対王者・ダンデを劇的なバトルの末に撃破し、公式に世界最強の王者へと登り詰めたことにあります。制作陣が当時のインタビューで語ったところによれば、「ポケモンマスター」という抽象的な夢を追い続ける中で、競技的バトルの頂点に達したサトシの冒険は、ひとつの最高到達点を迎えました。これ以上バトル面での成長を描くことが脚本上困難になったという、極めて誠実な物語的結論が交代の大きな要因です。
2023年4月から始動した新シリーズでは、ペンダントを持つ少女リコと、謎のモンスターボールを持つ少年ロイのダブル主人公体制が採用されました。放送開始当初は根強い「サトシロス」を嘆く声も散見されたものの、物語が本格化した現在では好意的な評価が定着しています。
旧シリーズのサトシが直情径行型の熱血少年であったのに対し、リコは思慮深く自己の内面と向き合う現代的な少女像として描かれています。SNSの感想分析や配信プラットフォームの反響を見ても、テラパゴスを巡るミステリアスなストーリーテリングと相まって、新たなファミリー層や若年層のファンを惹きつけることに成功しています。