日本動画協会が毎年刊行している『アニメ産業レポート』の経緯を辿ると、日本のアニメ産業市場規模は右肩上がりの成長を続け、2026年最新の推計値でも3兆円を超える巨大市場として定着しています。しかし、この数字を額面通りに受け取るだけでは、業界の実態を見誤ることになります。
市場拡大を牽引しているのは主に「海外展開」と「配信・商品化」であり、実際にアニメを制作している下請け・元請けスタジオへの利益還元には依然として分厚い壁が存在します。帝国データバンク等の企業信用調査データによると、アニメ制作会社の業績推移は黒字企業と赤字転落企業がはっきりと分かれる「二極化」が固定化しており、制作本数の飽和に伴う制作スケジュールの破綻や、リテイク増による採算悪化で経営危機に陥るスタジオも散見されます。