女性お笑い二人組の評価を客観的に測る上で、賞レースにおける戦績の推移は見逃せない指標です。創設当初は賛否両論を呼んだ『THE W』がどのように定着し、一方で漫才最高峰の『M-1グランプリ』の壁がどう立ちはだかってきたのか、主要なコンビのデータを整理しました。
ここで注目すべきは、M-1グランプリ女性コンビ決勝進出の真相と構造的な課題です。2001年の大会創設以来、女性コンビとして決勝の舞台を踏んだのは、2004年・2009年のハリセンボン、そして2022年のヨネダ2000の2組しか存在しません。大会エントリー総数における女性コンビの比率が数パーセント程度という絶対数の少なさも一因ですが、それ以上に「男性の身体性や大声の圧力を前提に作られた競技漫才の審査基準」と闘わざるを得なかった歴史的背景が存在します。
しかし、ヨネダ2000が証明したように、「男女の性差」を一切ネタの前提に置かず、純粋なナンセンスと独自のリズム構造で笑わせるスタイルが登場したことで、審査員の固定観念は劇的に打ち砕かれました。THE W歴代優勝者まとめを俯瞰しても、黎明期の阿佐ヶ谷姉妹から、オダウエダのシュール、天才ピアニストの王道、紅しょうがの泥臭い人間味へと優勝者のカラーが多様化しており、女性芸人の表現領域がかつてないほど豊潤になっている事実を物語っています。