かつて週末になると駐車場が満車となり、若者やファミリー層で活気に満ちていたラウンドワン朝霞店。一見すると順調に見えた同店が営業終了へと舵を切った背景には、単なる一過性の業績変動にとどまらない複数の経営課題が存在していました。
第1の要因は、「定期借地権の契約満了」というロードサイド大型商業施設特有の節目です。1990年代後半から2000年代初頭にかけて急速に拡大した郊外型大型レジャー施設は、地権者と15〜20年スパンの事業用定期借地契約を結ぶケースが一般的でした。2004年にオープンした朝霞店は、ちょうど契約更新のタイミングを迎えており、施設の継続には巨額の契約更新料や大規模改修費用の投資が必要とされる局面にありました。
第2に、建物の老朽化と最新アトラクション導入における設備上の制約です。近年、ラウンドワンはギガクレーンゲームスタジアムのような大型クレーン特化型フロアや次世代型デジタルスポーツ設備への大型投資を全国規模で推進しています。しかし、朝霞店の構造ではフロアレイアウトの大幅な刷新が難しく、耐震維持コストや空調・電気設備の更新投資に見合う将来収益の確保が課題視されていました。
第3に、2020年から続いた感染症拡大に伴う全社的なポートフォリオ見直し(スクラップ&ビルド)の加速です。株式会社ラウンドワンの当時の決算発表および中期経営方針において、グループ全体での固定費圧縮と収益性の高い中核店舗への資本集中が掲げられました。これらの要素が重なり合った結果、惜しまれつつも契約満了に伴う閉店という経営判断が下されました。