長期間にわたるロケーション撮影中、キャストとスタッフは本物のパン屋さながらの早朝スケジュールで撮影に臨んだという。主演の二人は役作りのため、クランクインの数か月前から実際に製菓学校へ通い詰め、プロ顔負けの技術を習得。現場ではNGが出ても焼き立てのパンを美味しく平らげる和気あいあいとした光景が見られたそうだ。
夜を徹して行われたクライマックスシーンの撮影では、極度の緊張感の中でも互いを思いやるアドリブが飛び出し、監督が思わず涙を流してカットを忘れたという秘話も残されている。こうしたキャスト陣の深い信頼関係が、作品に類稀なるリアリティを与えているのは疑いようもない。