国内最大の指定暴力団である山口組をめぐる情勢は、結婚式という儀式のあり方にも決定的な影を落としている。組織の分裂劇や不即不離の緊張関係が続く中、冠婚葬祭は幹部が一堂に会する極めて危険な「機会」とみなされるからだ。ひとたび情報が漏れれば、対立組織による襲撃の標的となりかねない。
これに対し、警察庁組織犯罪対策部は情報収集活動を極限まで引き上げている。式場への事前警告や、参加者への徹底的な職務質問、さらには移動ルートの追跡に至るまで、締め付けは年々厳しさを増す。裏社会の伝統儀式は、今や警察の監視カメラと背中合わせで行われる密室劇へと変貌を遂げた。