かつて空き家問題が課題とされていた集落は、いまやクリエイターや起業家の実験場へと変化を遂げた。行政の積極的なマッチング支援と地元のキーマンによる草の根の活動が実を結び、古い町家が次々と個性的なショップやゲストハウスへと生まれ変わっている。
「単に家をきれいにするのではなく、地域の人々と一緒にペンキを塗り、歴史を聞くことから始めました」と話すのは、3年前に都市部から移住しクラフトビール醸造所を立ち上げた女性だ。古民家の太い梁を生かした空間には、夜になると地元の長老から若手起業家までが集い、グラスを交わす。都会では失われつつある「顔の見えるコミュニティ」が、ここではごく自然に息づいている。