ハイヒールを履き、ハイレグやドレスを優雅に纏い、圧倒的なスタイルでステージを跳ね回る。性別やジャンルといった既存の記号は、ステージに立った瞬間に無効化される。誰かの作った型に自分を合わせるのではなく、自分という型に世界を従わせる迫力がそこにはある。
「自分らしさ」という言葉が消費されがちな現代において、安易なラベル貼りを許さない姿勢こそが最大の魅力だ。ドレスコードを指定する単独公演に見られるように、自身の美学を観客と共に空間全体へ拡張していく手腕は芸術家のそれである。観客はただ音楽を聴きに行くのではない。アヴちゃんという唯一無二の小宇宙へ没入しに行くのだ。