ネットの知恵袋や住宅系掲示板では「新築時の家屋調査が終わった後にカーポートを取り付ければ役所にはバレない」「建築確認申請を出さずに後付けすれば税金はかからない」といった無責任な書き込みが散見されます。しかし、現役の税務担当者や外構工事業界への取材から浮かび上がったのは、デジタル技術を駆使した自治体の驚くべき捕捉能力でした。
各自治体の資産税課は、定期的に管轄地域の全景を高解像度航空写真(オルソ画像)で撮影し、過去のデータと重ね合わせて建物の新築・増改築を自動検出するシステムを導入しています。屋根の輪郭や敷地内の変化がデジタル処理で色分け表示されるため、役所の窓口にいながらにして「新築時にはなかった屋根構造物」が一目瞭然で特定されます。
SNS上でも近年、「引き渡しから2年後に突然自治体の調査員が自宅を訪ねてきた」「ドローンによる空撮調査の通知書がポストに入っていて驚いた」といった声が相次いで報告されています。調査員は疑わしい物件をリストアップし、公道からの目視や現地訪問によって、三方が囲まれていないか、基礎が緊結されているかをチェックします。悪意を持って無申告を貫いた場合、過去数年分に遡及して延滞金とともに固定資産税が追徴課税されるケースもあるため、「隠し通せる」という認識は現代では通用しません。
また、カーポート建築確認申請の経路からも情報は共有されます。建築基準法上、床面積が10㎡を超えるカーポートは原則として建築確認申請が必要です(防火地域・準防火地域に指定されている場合は面積にかかわらず必須)。確認申請が建築指導課に提出されれば、そのデータは速やかに税務課へと連携されるため、行政内部のネットワークから逃れることは物理的に不可能です。