広報資料の「総延長20km」というキャッチコピーから、多くのハイカーが「1日で端から端まで歩き切ろう」と計画しがちですが、これは典型的な誤解です。20kmという数字は東縁と西縁の合算であり、一本道として一本化されているわけではありません。両岸を巡れば歩行距離は40kmを超え、フルマラソンに匹敵します。舗装された用水路管理道は平坦ながら足腰への負担が大きく、途中に自販機や売店が少ない区間も存在します。
さらに、いま現地の桜回廊が直面している極めて深刻な問題が、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」による食害です。桜の内部に幼虫が侵入し、木を内側から食い荒らして枯死に至らしめるこの害虫の被害が見沼田んぼでも確認され、放置すれば20kmの桜並木が虫食い状態になりかねない危機に直面しています。
さいたま市や市民団体は現在、「日本一の桜回廊を未来へつなぐ」ためのクラウドファンディング第2弾を展開し、樹幹注入剤の投与やネット巻き防除、市民参加型の見回り調査を実施しています。訪れる人々が美しい並木を享受できる背景には、こうした見えない保全努力がある事実は知っておくべき重要な側面です。