アウトドアレジャーや住宅地での作業中、不意にミイデラゴミムシの直撃を受けた人々の証言からは、その攻撃の凶暴性と皮膚症状の過酷さが浮かび上がります。
河川敷のバーベキュー場で薪を移動させていた30代男性の手記には、当時の生々しい痛痒が記録されています。
「倒木を持ち上げた際、指先にチクッとした鋭い熱さを感じた。『パチン』と乾いた音が響き、見ると小さな虫が逃げていくところでした。最初は蜂に刺されたのかと思いましたが、直後から火が付いたような激痛が走り、噴射を浴びた親指の腹がわずか数分で黄色から茶褐色へと染まっていきました。翌日には大きな水疱になり、皮が剥がれ落ちるまで2週間以上も強い痛みが続きました」
また、知恵袋やSNSなどの昆虫トラブル報告を調査すると、「子どもが珍しい昆虫を見つけて手のひらに握り込んだ瞬間、泣き叫んだ」「家庭菜園の草むしり中に靴の中へ入り込み、足首を重度の火傷のような状態にされた」といった事例が散見されます。
皮膚が黒褐色に変色する原因は、噴射物に含まれるp-ベンゾキノンが生体タンパク質のアミノ基と架橋結合し、色素沈着と細胞組織の壊死を引き起こすためです。これは一種の化学熱傷(ケミカルバーン)であり、単なる低温火傷以上に組織への浸透が深く、元の肌状態に戻るまで数週間から1ヶ月以上を要するケースも珍しくありません。
さらに恐ろしいのは眼球への被弾です。ミイデラゴミムシは尾端を360度自在に旋回させ、狙いを定めて噴射することができます。顔を近づけて観察していた子どもの目にガスが直撃した場合、角膜潰瘍や失明に至る深刻な眼科的ダメージを負う恐れがあります。