店頭に足を踏み入れた消費者が一様に驚くのは、定番ナショナルブランド(NB)食品や日配品の価格設定です。この驚異的なディスカウントを実現させている構造こそが、カネスエ大野店の安い理由の根幹をなす「EDLP(Everyday Low Price=毎日が低価格)」政策です。
一般的なスーパーは、新聞折り込みチラシを頻繁に配布し、特定の日や時間帯に赤字覚悟の目玉商品(ロスリーダー)を配して集客する「ハイ&ロー戦略」をとります。対照的にカネスエでは、原則として紙の新聞折り込みチラシを全廃、あるいは極小化しています。カネスエ大野店のチラシを探してもWeb上の簡易情報やアプリ通知程度にとどまるのは、年間で数千万円単位にのぼる印刷費・折込手数料・デザイン外注費を丸ごとカットし、その削減分を店頭売価へダイレクトに還元しているためです。
さらに現場のオペレーションにも、徹底した工数削減の哲学が貫かれています。
- 段ボールカット陳列(パレット陳列):商品を一つひとつ棚に美しく並べ替えるのではなく、納品された段ボール箱をカッターでくり抜き、そのまま什器やパレットに積み上げることで陳列時間を従来の3分の1以下に短縮。
- カート預託金システムの排除と効率化:大型の統一カートを店舗入り口に集約し、レジ通過後のカゴ移し替えステップを最小限に抑える設計。
- セミセルフレジの全面導入:バーコード読み取りは熟練スタッフが超高速で行い、精算機での支払いを客側が受け持つことで、レジ1台あたりの処理速度を極限まで引き上げています。
流通ジャーナリズムの視点で分析すれば、このモデルは米国の巨大流通企業ウォルマートや国内有力ディスカウンターが磨き上げてきた王道のディスカウントロジックであり、現場の作業ロスを削ぎ落とした結果の低価格であることがよく分かります。