ハンネスの初登場は、シガンシナ区の平和にかまけて昼間から酒を飲んでいた一介の駐屯兵団所属の平兵士でした。壁が破られることなど想像もしていなかった彼は、幼少期のエレンから「そんなんでいざって時戦えんのかよ!」と突っ込まれる、まさに平和ボケした壁内人類の象徴として描かれています。
しかし、彼がイェーガー家に向ける眼差しには特別な情義がありました。かつてシガンシナ区で流行病が発生した際、ハンネスの妻と自身はエレンの父グリシャ・イェーガーの卓越した医療技術によって命を救われていたのです。ハンネスにとってエレンやミカサは、単なる街の子供ではなく、恩人の大切な家族であり、自らの手で守るべき存在でした。
ウォール・マリア陥落後、トロスト区での防衛戦を経て、ハンネスは駐屯兵団工兵部隊の隊長(部隊長)へと昇進します。かつての怠惰な姿は消え去り、部下を統率して前線を支える頼もしい指揮官へと成長を遂げました。エレン、ミカサ、アルミンの3人が調査兵団で過酷な運命に立ち向かう中、彼は壁内から彼らの帰るべき「日常」を守り続ける父親代わりのような温かな防壁となっていたのです。