ネット上のQ&Aサイトや検索行動で頻繁に見受けられるのが、「日本フィルハーモニー交響楽団(日フィル)と新日本フィルハーモニー交響楽団(新日フィル)は何が違うのか?」という混乱です。名前に「新」が付いているため、「単なる改称」「同じ団体の下部組織」と誤解している一般層も少なくありません。
しかし前述の通り、両者は1972年に袂を分かった完全に独立した別組織です。現在の日フィルは杉並公会堂や横浜みなとみらいホールを主要拠点とし、北欧音楽やシベリウスの演奏において世界的な定評を獲得しています。一方の新日本フィルは、墨田区を拠点に小澤征爾のスピリットを受け継ぎ、近現代作品やシアターピース、ポピュラー領域にまで自在に踏み込むフレキシビリティを武器にしています。
また、「自主管理オケだからアンサンブルが荒削りなのでは?」という古いステレオタイプも存在しますが、これも現代の実態とは乖離しています。近年のオーディションを勝ち抜いた新進気鋭のプレイヤーたちの技術水準は極めて高く、精密なスコアリーディングと佐渡裕による求心力が加わったことで、国内トップクラスの緻密さを誇るオーケストラへと成熟しています。