生物学的にテンジクネズミ属(Cavia)に分類されるモルモットは、南米アンデス山脈の高地で野生種(Cavia tschudiiなど)から数千年前に家畜化されたとされています。野生下では捕食される側の草食動物であるため、周囲の物音や環境の変化に対して極めて敏感な感覚器官を発達させてきました。
現在、ブラジルをはじめとする南米各国の都市部では、集合住宅での暮らしやすさから家庭内ペットとしてのポジションを確立しています。ブラジル獣医学会関連の飼育動向レポートによると、都市部の若年層世帯において犬猫に次ぐコンパニオンアニマルとして飼育頭数が伸びており、専用プレミアムフードや専門診療を行うエキゾチックアニマルクリニックのインフラ整備が急速に進展しています。
モルモットの生理機能における最大の特徴は、体内でビタミンC(アスコルビン酸)を生合成する酵素(L-グロノラクトンオキシダーゼ)を欠いている点です。これは人間や一部の霊長類、コウモリなどごく限られた生物にしか見られない代謝特性であり、日々の食事から適切なビタミンCを摂取できなければ、数週間で壊血病を発症し命に関わる事態に陥ります。
また、生涯にわたって歯が伸び続ける「常生歯」を持ち、切歯だけでなく奥歯の臼歯も絶え間なく摩耗させなければなりません。この歯の伸びすぎ(不正咬合)を防ぎ、デリケートな腸内細菌叢のバランスを維持するためには、高繊維質なイネ科牧草を24時間いつでも摂取できる給餌管理が生命線となります。