斜面に沿うように階段状に配置されたキャビン群を手掛けたのは、建築家の東利恵氏だ。すべての客室が富士山と対峙するように設計されており、テラスのリビングスペースに出れば、まるで大自然の特等席に腰掛けているかのような錯覚に陥る。
コンクリート打ち放しの無機質な外観と、室内を満たす木の温もりのコントラストが見事だ。あえてテレビを置かず、炎の揺らぎや移ろう雲の影を眺めることこそが、ここでの至高のエンターテインメントになる。夜になればテラスのファイヤープレイスに火が灯り、プライベートな夜の森が静かに深まっていく。