求人広告や面接の場で今なお散見されるのが、「試用期間の3ヶ月間は研修時給としてマイナス100円」「高校生は一般時給より50円引き」といった文言です。しかし、これらの減額によって東京都の最低賃金を1円でも下回る場合、完全に最低賃金法違反となります。
最低賃金法第7条には、精神や身体の障害により労働能力が著しく低い人や、試用期間中の人などを対象とした「最低賃金の減額の特例」という制度が存在します。しかし、これは使用者が勝手に適用できるものではありません。事前に労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長の個別許可を受けなければならず、一般的な飲食チェーンや販売店で働くアルバイトに対して許可が下りることは実務上まずあり得ません。「研修中だから仕事を覚えていない」「高校生で経験が浅い」といった理由は、最低賃金を割り込む法的根拠には一切ならないのです。
ネット上では「パートやアルバイトは最低賃金の適用除外になるのではないか」という噂が流れることもありますが、これは完全な誤解です。地域別最低賃金は、雇用形態(正社員、契約社員、派遣、パート、学生バイト)、年齢、国籍を問わず、東京都内の事業場で働くすべての労働者に強制的に適用されます。高校生であっても、大人のスタッフと全く同じ東京都の最低賃金以上の給料を受け取る権利が法律で保障されています。