運ばれてきた瞬間、誰もが息をのむ。看板メニューの「チャーシュー麺」だ。
一般的なラーメン店で目にする薄切りチャーシューとは根本的に次元が違う。厚さ数センチ、重量にして数百グラムにも達する豚肩ロースの塊が、まるで城壁のようにスープへそびえ立つ。一見すると大味なデカ盛り料理を想起させるかもしれない。だが、箸を差し入れた瞬間にその先入観は心地よく裏切られる。
繊維がホロリとほどける。脂身は舌の上でサラリと溶け出し、赤身には濃縮された肉の旨味がぎっしりと詰まっている。毎朝早くから店内の大釜でじっくりと時間をかけ、肉の内部温度を見極めながら火入れを施す妥協なき仕込みの賜物だ。カエシの染み込み加減も絶妙で、淡麗ながらコク深いスープの味を邪魔しない。ただ多いのではない。最後まで美味しく食べ切らせるための緻密な計算が、この肉塊の中に宿っている。