土俵を支えるもう一つの重要な専門職が「呼出(よびだし)」です。行司と呼出の待遇を比較すると、基本的な給与水準や定員制限には共通点が多く見られます。
呼出の給与テーブルも日本相撲協会の規定に準じており、最高位の「立呼出」で年収1,000万円前後、十両呼出で300万〜400万円台と、行司の階級ピラミッドとほぼ並行しています。ただし、呼出には土俵作りや太鼓打ちといった特殊技能に対する手当が加算される一方、行司のように高額な装束を自前で調達する必要がないため、手元に残る実質的な可処分所得には差異が生じます。
また、行司の定年は満65歳と協会規定で定められています。定年退職時には、勤続年数と最終階級に応じた退職金(退職手当)が支給されます。15歳前後で入門し、50年近く勤め上げて三役格や立行司に達した場合、退職金は数千万円規模に達すると言われています。終身雇用が崩壊した現代社会において、伝統的な年功とキャリアの積み上げが手厚く報われる構造となっています。