一部の校閲や文章論において、「『必要』と『不可欠』は意味が重複しているため、重言(二重表現)ではないか」と指摘されるケースがあります。「馬から落馬する」「頭痛が痛い」のような誤用と同じ扱いを受けるのではないか、と心配する方もいるはずです。
結論から申し上げますと、「必要不可欠」は慣用句として広く定着しており、誤用ではありません。新聞記事、公的文書、学術論文、ビジネス契約書などでも日常的に使用されています。
日本語には「明明白白」「正真正銘」のように、同系統の意味を持つ言葉を重ねて強調する修辞技法(強調表現)が存在します。「必要不可欠」もまさにその代表格であり、言葉を重ねることで「絶対性」を際立たせる効果を発揮します。ただし、一文の中で何度も多用すると文章が冗長になるため、使いどころを見極める工夫が求められます。