その黄金期を音楽面でガッチリと支えたのが、作曲家の森田公一と作詞家の山上路夫という希代のヒットメーカー・コンビだ。『恋する夏の日』において二人が仕掛けたギミックは、当時の歌謡界の常識を心地よく裏切るものだった。
山上路夫による「あなたを待つの テニスコート」という鮮明な情景描写は、当時の若者文化の憧れをストレートに射抜いた。そこに森田公一が乗せたのは、シンコペーションを効かせた躍動感あふれるブラスサウンドと、思わず一緒に歌いたくなる親しみやすい旋律。一度聴いたら耳から離れないフックの強さは、緻密な計算と職人技の結晶だった。