日本各地で長年親しまれてきた夏の風物詩、花火大会。しかしその現場では今、深刻な変革の波が押し寄せている。警備費用の急増や騒音問題、さらには近年の過酷な猛暑による来場者の安全確保の難しさが、伝統的なイベントの存続を脅かしているのだ。その間隙を縫うようにして急速に台頭したのが、制御された光の群れである。
音と火薬の衝撃で圧倒する花火に対し、光の演出は静寂のなかで複雑な物語を描き出す。近隣住民への騒音被害を極限まで抑えられる点も、都市部や住宅地に隣接した海沿いでの開催を容易にした。ある関東圏のイベントプロデューサーは「音を出せない場所でも、夜空全体を使ったダイナミックなショーが成立する。これは従来のイベント企画の常識を覆す大転換だ」と語る。