三国花火大会は、昭和40年代の開幕以来、地元市民の寄付とボランティアの熱意によって維持されてきた。しかし近年、北陸新幹線の福井開業以降、首都圏や関西圏からの観光客が急増。観覧エリアの許容量を超える群衆が三国港周辺に押し寄せる事態が常態化していた。
とりわけ問題視されたのが、過熱する観覧スペースの場所取りと、最寄り駅や臨時駐車場への退場動線における滞留だ。かつて群衆事故を防ぐための警備費は予算全体の数%程度に収まっていたが、2025年度には警備コストが数年前の約3倍にまで高騰。民間の警備会社でも警備員の確保が全国的に難航しており、今年度に要求される安全基準を満たす警備体制を構築することが困難となった。実行委の関係者は「来場者の安全を完璧に担保できない状態で花火を打ち上げるわけにはいかない」と打ち明ける。