自治体の市民課窓口や企業の労務担当部署を対象とした実務ヒアリングでは、毎年10月から12月の年末調整時期、ならびに4月の入社・異動シーズンに「続柄の逆転記入」が集中することが報告されています。都内大手IT企業の人事労務担当者は次のように証言します。
「新入社員や若手社員から提出される書類の約12〜15%に、続柄の主客逆転が見られます。特に多いのが、扶養親族欄に父親の氏名を記載しながら、続柄欄に『長男』や『子』と書いてしまうケースです。申告書フォーマットの刷り込みで『自分自身の立場を書くものだ』と思い込んでいる方が非常に多いのが実態です」
また、市区役所の窓口担当者への取材でも、転入届の「続柄」欄に「父」と書いたものの、世帯主が父親であったため「あなたは世帯主から見て『子』ですね」と訂正を求められる場面が日常的に発生しています。行政システムでは住民基本台帳法第7条に基づき、世帯主との血縁・親族関係でデータ管理されているため、窓口での口頭確認と修正が不可避となります。