反動蹴速迅砲の根幹にあるメカニズムは、物理学における「完全弾性衝突に近いエネルギー反発」と「キック力のベクトル加算」です。相手が放ったボールが最高速に達している瞬間に、進行方向の真正面から完璧なタイミングでミートし、自身のスイングスピードによる衝撃を直接上乗せします。
この原理が最も劇的に描かれたのが、日向小次郎が放った渾身の雷獣シュートとの激突でした。地を這い、直前で鋭くホップする雷獣シュートの推進力を、肖俊光はペナルティエリア手前で真っ向から蹴り返しました。相手の弾速が速ければ速いほど、跳ね返される弾丸の威力は幾何級数的に跳ね上がります。
結果として生まれたシュートは、それまで「ペナルティエリア外からのシュートは絶対に止められない」と豪語され、鉄壁を誇っていたS・G・G・K(スーパー・グレート・ゴールキーパー)若林源三の守備網を破り、ゴールネットを揺らすという歴史的快挙を成し遂げました。
しかし、この技には重大なリスクが存在します。超高速で飛来する剛球の衝撃を脚一本で受け止め、さらに強烈なキックスイングを行うため、膝や足首の関節、筋肉に極めて重篤な負荷がかかります。作中でも肖俊光はこの技の多用によって古傷の右足を悪化させ、選手生命を脅かされる描写がなされており、まさに自らの肉体を削って放つ諸刃の剣でした。