試合開始のブザーが鳴り響くと同時に、会場のボルテージは最高潮に達した。鋭いステップから左ジャブを突き刺し、距離を制圧にかかる朝倉海。対するパントージャは、低空タックルと強烈なオーバーハンドを織り交ぜて一気に間合いを詰める。打撃の交錯、ケージ際でのスクランブル。一瞬の油断も許されない極限の攻防が繰り広げられた。
試合後、汗が引かないままバックステージのインタビューに応じた朝倉は、息を整えながら率直な胸中を明かした。「世界の壁は確かに高かった。でも、届かない距離じゃない。自分の打撃が当たれば倒せる手応えは間違いなくあった。ここからが本当の挑戦です」。悔しさを滲ませつつも、その眼光はすでに次なるターゲットを捉えていた。