写真をそのまま低解像度化するだけでは、どうしても野暮ったいモザイク画像になってしまう。そこに命を吹き込む鍵となるのが、緻密な減色処理のコントロールだ。
プロの制作現場では、Adobe Photoshopによるインデックスカラーの精密な手動調整や、ドット絵専用ソフトとして不動の地位を築くAsepriteを駆使したカラーパレットの再構築が行われている。明部と暗部で単に明度を変えるのではなく、光が当たる部分には温かみのある黄色を、影の落ちる部分には深い青や紫を滑り込ませる「色相シフト」を施す。
中間色を規則的なドットの千鳥配置で表現するディザリング処理も、適材適所の見極めが問われる。機械的なオート任せにせず、キャラクターの肌には滑らかな階調を、金属や布地にはあえて粗い粒状感を残す。この細やかなトーン設計こそが、安っぽいフィルター加工と一線を画す本格派レトロゲームの空気感を醸成する。