30年近く続いた家庭を解散するに至った決定的な要因は、単一のトラブルではなく複合的な環境変化と心理的距離の拡大でした。なかでも最大の契機となったのが、いわゆる「子育ての完全終了」です。二人の息子が社会人として自立したことで、夫婦をつなぎ止めていた「共同養育者」としての役割が消失。残された人生をどのように過ごすかという個々のアイデンティティが問われることとなりました。
さらに大きかったのが、ライフスタイルと仕事観の決定的な乖離です。清水圭は後述するように芸能界を事実上引退し、静かでプライベートな時間を優先する生き方を望むようになりました。一方の香坂みゆきはデビュー45周年を機に新曲リリースや単独ライブの開催など、60代を迎えてなおアクティブな自己実現を志向していました。日々の生活リズムや交友関係、将来の展望において共有できる領域が急激に狭まっていったと報じられています。
離婚協議に伴い、世間を驚かせたのが世田谷区内に建てられた豪邸の売却でした。敷地面積が広く、清水圭のこだわりが随所に反映されたこだわりの邸宅は、推定で数億円の資産価値を持つとされていました。不動産をそのままどちらかが相続・保有し続ける場合、代償金の支払いや維持費の負担でトラブルに発展するケースが少なくありません。現金を均等に分割する「換価分割」を選択したことは、後腐れのない公平な財産分与を望んだ二人の理知的な決断を物語っています。